iPadの修理依頼で多い故障の原因

iPadは、iPhoneとは異なり、長く同じ端末を使う人が多いという特徴があります。そのため、故障の原因も、長く使っていることに起因するものが多いと思います。この記事では、iPadの修理依頼で多く見られる故障の原因についてご紹介していきます。

iPadの修理依頼で多い故障の原因

現行のiPadはすでに第8世代、iPad AirやiPad miniもそれぞれ第4世代、第5世代となっっていますが、まだまだ過去のモデルを現役で使われているという方は多いと思います。それに伴い、似たような傾向の故障で修理に持ち込まれるiPadが増えています。よくあるトラブルとその原因について考えてみました。

スクリーンがフリーズしてしまう

いわゆる「固まってしまう」状況です。個別にはさまざまなシチュエーションがありますが、アイコンをタップしてアプリを立ち上げたはずなのになかなか反応しない、パスコードを入力したのに画面がそのままになっている…などの状況です。iPadのフリーズは、あくまで推測ですが、以下のような原因で起こっていると考えられます。

・システムがアップデートされていない

iPadはiOSにより動作しているのは皆様、ご存じかと思います。このiOS、実は定期的にアップデートされているのですが、ユーザーによっては古いOSをそのまま利用しているため、iPadの動きが悪くなっている可能性があります。OSが古すぎるのです。アップデートはかんたんにできるので、通知が来たらすぐに行うことをおすすめします。

システムエラーやバグがあると、OSのアップデートにより修正されます。「設定」「一般」「ソフトウェア・アップデート」からアップデートしましょう。

・処理能力が不足している

フリーズの原因が、iPadの処理能力不足の場合もあります。ブラウザやアプリを開きすぎると、iPadが本来持っている処理能力をオーバーしてしまい、動きが遅くなったり固まったりする場合があります。単純にストレージの容量が少なくなって処理能力が不足する場合もあります。開かれているアプリやブラウザを閉じると改善される場合があるので試してみてください。そもそも容量が足りない場合は、データを削除して容量を回復する必要があります。

フリーズしてしまった場合は、再起動すると復活することもあるので試してみましょう。ホームボタンがある機種は「電源ボタン+ホームボタン」の長押し。ホームボタンがない機種は、機種により方法が異なりますが、ボリュームボタンとトップボタンを使用します。

充電中のまま進まない

こちらも長く使用する人が多いからこそ起こりがちな故障です。ただ、こちらは故障というよりは不具合でしょうか…これはバッテリーが完全に劣化してしまって充電ができない状態です。ただ、ほかの不良も考えられます。

・充電口の接触不良

充電ケーブルの差し込み口とケーブルの端子の接触が悪くなり、充電ができない場合があります。ホコリが差し込み口に溜まっている場合もありますし、単にケーブルの不良の可能性もあります。

・バッテリーの劣化の場合は交換で

iPadのバッテリーは、長期間使用すると当然ながら劣化してしまいます。目安としては3~4年も使用したら、本来のキャパシティからかなり劣化するはずです。長い間、使わずに放置していた場合は、完全に放電してしまっているかもしれません。バッテリーを交換すれば修復できるケースがほとんどです。

電源が入らない

電源が入らない…これは充電中のまま進まない状況と同じ、もしくは似たような不具合の可能性もありますが、ほかにも原因があるかもしれません。

・バッテリーが完全に放電

バッテリーが劣化している場合と似たような状況です。ただ、バッテリーは完全に劣化してしまうと充電できませんが、放電してしまった場合なら、まだバッテリーは生きているかもしれません。時間がかかるかもしれませんが、一度、フルに充電してみることをおすすめします。少しだけ充電しても電源は入らない可能性があります。iPadの立ち上げには多くの電力を必要とするからです。

・内部のパーツに問題がある

もうひとつ考えられるのが、内部のパーツになんらかの問題があるケースです。電源が入らない場合、バッテリーに問題がなくても、ぶつけたり、水に濡らしたりすることで内部のパーツが傷んでしまった可能性があります。こうなると、該当のパーツを取り換えなければ電源は入りません。

スクリーンの不具合・ヒビ割れなど

iPhoneやiPadを含め、スマホやタブレットでよくあるのが、スクリーンのヒビ割れなどのトラブルです。iPadも同様のトラブルでよく持ち込まれます。大きなスクリーンが魅力のiPadですから、ヒビ割れがあるとよけい無残に感じられます。そのまま使っては危険ですし、ましてや小さな子どもにそのまま使わせてはケガをさせる可能性もあるので大至急、修理しなければなりません。

スクリーンの不具合は、実は2種類あります。

iPadのスクリーンは、モデルにより構造が異なります。ガラスと液晶が別々になっているモデルの場合は、ヒビや割れが液晶まで到達していなければ、ガラスだけの交換で済みます。ガラスと液晶が一体化しているモデルの場合は、たとえガラスにしか傷が到達していなくても、丸ごと交換しなければなりません。

なお、表面に傷がなくても、圧力により内部の液晶がこわれてしまっている場合もあります。

水没

iPadを水に濡らしてしまったというトラブルに関するお問い合わせは、実はたくさんあります。iPadを水没させてしまうと、メーカー保証の対象からも外されてしまいますので、厳しいトラブルだといわざるを得ませんが、非正規修理店なら水没修理にも対応しています。ただし、水没修理は復旧できない可能性もある故障なので、時間をかけて作業する必要があります。
まれにお風呂に入りながらiPadやスマホを使うという人もいらっしゃいますが、水没という重大な事故を防ぐという観点では、絶対にやめたほうがよいでしょう。ただ、水の中にどぼーんと落としてしまうことだけが水没ではありません。寒暖差の激しい場所に置いておいたがために、iPadの内部が結露してしまい、それにより水没してしまうこともあります。このようなケースもあるので、iPadは保管場所にも気をつけるようにしましょう。

意外な箇所にも影響しやすいバッテリー

充電不良や、電源が入らない場合にバッテリーを疑うことについては触れました。バッテリーは、特に長年、愛用する人の多いiPadでは、交換することで快適に使えるようになりますが、バッテリーを交換することで、意外な箇所まで改善することがあります。

たとえば、スクリーンの不具合は、意外にもバッテリーが関係していることがあります。バッテリーが劣化し、膨張するとスクリーンが浮き、液晶の表示がおかしくなるのです。なんとなく液晶の表示やカラーがおかしいと感じる場合は、もしかしたらバッテリーが原因の可能性があるので、修理店にチェックしてもらったほうがよいでしょう。

iPadの故障は総務省登録修理業者へ

iPadでよく発生する故障の原因についてご紹介してきました。これらのほかにもiPadではさまざまな不具合が発生します。不具合が発生した場合は、総務省登録修理業者に修理を依頼するのがおすすめです。Appleは、Apple Storeなどの正規店に修理を依頼すると、多くの場合、データが消えてしまうというデメリットがあります。例外はあるものの、街のスマホ修理店なら、大切なデータが消えてしまうことはありません。ただし、信頼のおける修理店に依頼するという意味で、総務省登録修理業者に依頼することが最低条件です。